2016年8月11日木曜日

今週の今昔館(10) 20160606

〇今昔館のあまり知られていない展示

 さて、これは何でしょうか?今昔館のどこに展示されているでしょうか?


 答えは、大阪ガスの実験集合住宅NEXT21の立面図。展示場所は、8階近代のフロア「モダン大阪 パノラマ遊覧」の近代都市住宅年表のコーナーです。多分、「そんなものあったかなぁ?」とおっしゃる方が多いのではないでしょうか。
 皆さん、手前に並んでいる冷蔵庫やアイロン、ガスコンロなどのくらしの道具の変遷の方に目がいってしまい、バックの壁面が年表になっていることに気が付かない方が多いようです。
 もちろん、この年表は15年前の開館当時からずっと展示されています。明治以降から現代までの大阪の住まいと暮らしの歴史を、「都市住宅の変容」を軸に、市街地や郊外居住の変化などの流れも含めて年表にまとめたものです。
 この年表の下の段は各時代の代表的な住宅の立面図が統一されたスケールで描かれています。その一番右端に、NEXT21があります。

 NEXT21は、近未来の都市型集合住宅のあり方について、環境・エネルギー・暮らしの面から実証・提案することを目的に、平成5(1993)年に建設された実験集合住宅です。
 大阪ガスの社員とその家族が実際に居住し、時代に一歩先んじた居住環境・設備を体験する実験を通じ、これからの集合住宅を考え、検証していこうとするプロジェクトです。
 現在第4フェーズの居住実験が行われており、人・自然・エネルギー、そして住まいの関係性を改めて見つめ直し、「人と人のつながりの創出」、「人と自然の関係性の再構築」、「省エネ・スマートな暮らしの実現」を具現化する居住実験に取り組み、「環境にやさしい心豊かな暮らし」を追求しておられます。
 NEXT21は、平成7年度第9回大阪市ハウジングデザイン賞の特別賞を受賞しています。「大阪市ハウジングデザイン賞」は、魅力ある良質な都市型集合住宅を表彰し、その優れた面を明らかにすることにより、良質な都市型集合住宅の建設を促進するとともに、広く市民の方々や住宅供給に携わる人々の住宅に対する関心を高めていただくことを目的に実施されている制度です。現在「第30回大阪市ハウジングデザイン賞」の推せんを募集しています。詳しくはこちらをご覧ください。
 なお、年表の前に展示している暮らしの道具のうちガス製品については、大阪ガス(株)さんから提供していただいています。



〇資料紹介「浪花行事十二月 橘月 梅田牛の藪入り」

 大阪くらしの今昔館の所蔵資料「浪花行事十二月」には、江戸時代の浪花の年中行事風俗が旧暦の月ごとに描かれています。今回はその中から、5月の行事「橘月 梅田牛の藪入り」をご紹介しましょう。(大阪くらしの今昔館ホームページからの引用です。)


 江戸時代、梅田の堤では旧暦の五月五日(新暦では5月下旬~6月下旬ごろ:今年の暦では6月9日)早朝に「牛の藪入」が行われました。まず、近所の農夫が飼っている牛に新鞍を置き、角に種々の草花を結いつけ、堤に引いてきて自由に駆けさせます。これによって、牛が病に患わなくなるといわれました。
 また、農夫は「ちまき」を牛に食わせ、人々はその様子を見学しました。この「ちまき」を子どもが食べると疱瘡が軽くなると考えられていたため、見物人は皆ほしがったといいます。


〇トリップアドバイザーの「2016年エクセレンス認証」を受賞しました

 大阪くらしの今昔館が、世界最大の旅行口コミサイト「TripAdvisor」(トリップアドバイザー)の「2016年エクセレンス認証(Certificate of Excellence)」認定施設に選ばれました。
 今年で6年目を迎える「エクセレンス認証」とは、トリップアドバイザーに掲載されている施設の中で過去1年間に優れたホスピタリティーを提供していると旅行者から高く支持された世界中の宿泊施設、観光施設(観光名所・ツアー含む)、レストランに授与される認証です。
 お客様からいただいた評価に感謝いたしますとともに、これからも皆様から愛される今昔館をめざしてまいります。今後とも大阪くらしの今昔館をよろしくお願いいたします。



〇企画展の関連イベント「ギャラリートーク」が開催されました

 昨日6月5日(日)、本企画展で展示している花嫁道具の所蔵者でいらっしゃる佐野恵美子氏による「船場のお嫁入り支度」のギャラリートークが開催されました。
 6月12日(日)には、渋谷利兵衛商店九代目当主でいらっしゃる渋谷善雄氏による「結納飾りと水引」、6月19日(日)には、佐野恵美子氏による「船場のお嫁入り支度」の2回目が開催されます。展示の観覧と合わせて是非ご参加ください。



〇企画展「船場花嫁物語」が始まっています

 平成28年6月26日(日)までの開催です。 
 会期中の休館日:火曜日と第3月曜日、6月7日(火)、14日(火)、20日(月)、21日(火)

 江戸時代から経済の中心地として栄えた大阪では、船場の豪商を中心に武家の婚姻儀礼に倣った華やかな婚礼が執り行われていました。
 船場の商家では、嫁いだ娘が一生不自由しないよう着物や装身具、生活道具を調え、荷物目録を添えて婚家へと送り出しました。それは娘への財産分けという意味もあったようです。一方、花嫁を迎える婚家では専用の蔵をつくり、花嫁道具を収めたといいます。婚礼の儀式は、結納に始まり、花嫁道具の荷物送りの行列、これらを披露する荷飾り、そして祝言披露宴と続きます。このような婚礼の伝統は、昭和の戦前期まで受け継がれてきました。
 本企画展では、昭和14年、船場の商家・廣野家が調えた花嫁仕度の品々を公開します。これらは、着物、宝飾品、家具調度品類いずれをとっても、職人が技術の粋を尽くした工芸品であり、船場商人の底力と大阪の文化の豊かさを示すものです。幸いにも戦火を免れ、大切に保存されてきた花嫁道具の数々をこの機会に是非ご観覧ください。

色振袖裾模様

◆関連イベントとして「ギャラリートーク」を開催します。

〇「船場のお嫁入り支度」
6月19日(日) 14:00~
佐野恵美子氏 :本展展示花嫁道具所蔵者

1947年(昭和22年)生まれ。画廊シャノワール主催。
昭和14年に結婚されたお母様のお嫁入り道具を大切に保管され、これまでにも公開されてきました。
今回、お母様の思い出とともにお嫁入り道具についてお話いただきます。

〇「結納飾りと水引」
6月12日(日) 13:30~
渋谷善雄氏:渋谷利兵衛商店九代目当主

1949年(昭和24年)生まれ。
享保9年(1724)創業の婚礼品の老舗・渋谷利兵衛商店当主に伝統的な結納飾りや水引細工について、展示中の結納飾りを前に解説いただきます。

※当日開始時刻までに会場へお越しください。
 但し企画展の入館券が必要です。

※企画展について詳しくはこちらをご覧ください。



拡大表示はこちらから

〇今週のイベント・ワークショップ

6月6日、8日~11日、13日、15日~18日
町家ツアー

住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」の9階「なにわ町家の歳時記」では、楽しいガイドツアーをおこなっております。当日ご来館の方は、自由に参加していただけます。
※団体でお越しの場合は、事前にお申し込みください。
開催日:平日・土曜日
時 間:11:30、14:30

6月11日(土)
町家衆イベント ワークショップ 『版木はがき』

13時30分~15時
参加費:200円

6月12日(日)
町家衆イベント ワークショップ 『おじゃみ(有料)』

古布を四角く切って縫い合わせて作るおじゃみ(お手玉)。作り方をていねいにお教えします。
開催日:第2日曜
時 間:14:00~16:00

6月12日(日)
町家衆イベント 町家ツアー

江戸時代大坂の町並みについて町の特色や見どころをわかりやすく解説します。
時 間:13:10~14:00


紙しばい
昔ながらの紙しばいを町家衆が上演します。子どもから大人まで楽しんでいただけます。
開催日:日曜適時
時 間:適時

そのほかのイベント・ワークショップはこちらからご覧いただけます。
そのほか定期開催のイベントはこちらからご覧ください。

大阪くらしの今昔館の展示内容や利用案内などについて詳しくはこちらからどうぞ。


住まいまちづくりネットでは、大阪市立住まい情報センター主催のセミナーやイベントの紹介、専門家団体やNPOの方々と共催しているタイアップイベントの紹介などを行っています。イベント参加の申し込みやご意見ご感想なども、こちらから行える双方向のサイトとなっています。是非トップページのほうも御覧ください。
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