2017年3月3日金曜日

PiTaPa「プレミアム」「マイスタイル」と定期券、どれが便利でお得?

 4月から就職・転勤などで大阪市内に通勤することになる方は、地下鉄を利用される場合も多いと思います。大阪市営地下鉄では、通常の定期券のほかに、利用額割引「PiTaPaマイスタイル」がありますが、さらに登録した駅を中心とした設定エリア内が乗り放題となる新しいサービス「PiTaPaプレミアム」が2016年6月1日からスタートしています。

 4月から定期券を買おうとお考えの方、定期券と「マイスタイル」、「プレミアム」どこがどう違うのでしょうか?どれがお得なのでしょうか?
 具体的な例として、自宅最寄り駅が都島駅、勤務先最寄り駅が心斎橋駅の場合を挙げて比較してみましょう。

 まずは、定期券から。
 都島~心斎橋の定期券は2区で、1ヶ月定期8930円(29年4月から)、6ヶ月定期48230円(同・1ヶ月当たり8038円)です。
 定期券は、経路が指定されますので、乗降りできる駅は、都島、天神橋筋6丁目、中崎町、東梅田、梅田、淀屋橋、本町、心斎橋になります。この定期券があれば、梅田~本町、中崎町~淀屋橋などにも利用できます。おまけとして、特例により四つ橋線の西梅田~四ツ橋にも乗車できます。他の経路を指定することも可能ですが、最短経路の梅田経由の場合を例に挙げました。

 次に、「マイスタイル」です。
  ・登録駅は2駅。その2駅間と同じ料金の区間が対象駅となる。
  ・割引対象は、エリア内であっても登録駅で乗車または下車しないと対象にならない。
  ・価格は、6カ月定期の1か月相当分

 登録駅(赤色)を都島と心斎橋にした場合の対象駅は緑色の駅になります。都島・心斎橋の双方から2区でいける範囲が対象駅となっています。赤から赤、赤から緑、緑から赤の乗車が割引の対象(乗り放題)ですが、緑から緑は対象外で別料金が必要です。この点がプレミアムとの大きな違いです。
 注意が必要なのは、赤から白(対象外の駅)は全額が対象外となり、別料金となることです。例えば、心斎橋から東三国まで乗ると、3区の280円が必要となります。新大阪~東三国の1区180円(乗越料金)にはなりません。


マイスタイル(2区)登録駅:都島・心斎橋、8040円

 6ヶ月定期券の1か月分と同じ料金(2区は8040円)で、定期券よりも広い範囲で乗り降りができます。北は新大阪まで、西は阿波座まで、南はなんば、日本橋まで、東は森ノ宮までが利用範囲になります。
 ただし、乗降駅のどちらかは登録駅でないとだめです。例えば、梅田~心斎橋は利用できますが、梅田~本町は別料金となります。ここが定期券との違いです。そのかわり、例えば、心斎橋~森ノ宮、都島~新大阪なども利用できる点はマイスタイルの大きなメリットです。

 つぎに、昨年新設された「プレミアム」
登録駅と、大中小の3つのエリアのうちのどれかを選ぶことによって対象駅が設定され、エリア内の駅間の乗車はすべて乗り放題となるサービスです。

  ・登録駅は1駅。その駅からの距離(区間)を大中小の3つ(2区~4区)から選ぶことにより、
   対象駅が決まる。
  ・割引対象は、エリア内のどの駅で乗り降りしても対象となる。(登録駅とは無関係)
  ・価格はほぼ1カ月定期相当


 登録駅を都島にして2区を指定すると、梅田、北浜までで、心斎橋が対象駅に入りません。これは、2区の意味が、都島からの2区ではなく、都島を中心駅とするエリアの端から端まで、この場合は千林大宮~東梅田が2区ということからです。
 2区は7km以内ですが、都島駅から3.5km以内の範囲が対象駅となっています。つまり、エリアの端から端が7km以内(2区)となっています。ここが、マイスタイルの2区との違いです。

プレミアム(2区)登録駅:都島、9020円

 心斎橋を登録した場合は、利用できる駅の範囲は増えます。都心部では、多数の線がクロスしているため、3.5km以内の駅が多くなります。しかし、梅田、南森町までで、都島は対象駅に入りません。

プレミアム(2区)登録駅:心斎橋、9020円

 これでは、通勤に利用することができません。さてどうするか?
 「プレミアム」では、登録駅と無関係に対象駅間の乗り降り(緑から緑)ができますから、都島と心斎橋の間の駅を登録駅にしてみます。まず梅田駅を試してみます。都島と心斎橋が含まれ、北は新大阪、西は阿波座も範囲に入ります。
 注意が必要なのは、赤から白(対象外の駅)、緑から白は全額が対象外となり、別料金となることです。例えば、梅田からなんばまで乗ると、2区の230円が必要となります。心斎橋~なんばの1区180円(乗越料金)にはなりません。

プレミアム(2区)登録駅:梅田、9020円

 次に、北浜駅を試してみます。北は中津までになりますが、南はなんば、日本橋、東は森ノ宮が範囲に入ります。ミナミへ出ることの多い方は、こちらのほうが便利かもしれません。
プレミアムでは、緑から緑もすべて乗り放題になる点が大きなメリットです。
プレミアム(2区)登録駅:北浜、9020円

 もうひとつの方法は、登録駅を心斎橋にしたままで、エリアを3区に拡げる方法です。料金は高くなりますが、仕事での移動、アフターファイブでの移動が多い方には便利な買い方になります。北は西中島南方まで、西は朝潮橋まで、南は玉出、昭和町、文の里まで、東は深江橋、新深江まで自由に利用できます。
プレミアム(3区)登録駅:心斎橋、10760円
都島を登録駅にして3区にした場合も示してみます。利用できる範囲が変わってきます。西方面、南方面は範囲が狭くなりますが、一方、東は守口まで利用できるようになります。
プレミアム(3区)登録駅:都島、10760円

 以上の例からプレミアムとマイスタイルを比較すると、プレミアムの方が登録駅と無関係に自由に乗れる点で自由度は高いですが、利用できるエリアはやや狭くなります。(同じ2区でも、マイスタイルは登録駅から端の駅までが2区。それに対し、プレミアムはエリア内の端から端までが2区。)

 また、プレミアムの価格は1カ月定期相当(2区は9020円)で、マイスタイルの6カ月定期の1カ月相当分(2区は8040円)に比べて割高になります。


 マイスタイルは6ヶ月定期と同じ価格で利用範囲が広く、料金は後払いとなるので、4月にまとまった支出をしなくて済む点、1ヶ月定期よりも安くなる点がメリットです。

 通勤以外に市内中心部の色々な駅で乗り降りする場合、特に、よく利用する駅が自宅の最寄り駅と勤務先の最寄り駅以外に2つ以上あって、続けて移動することが多い場合には、プレミアムの方が便利でお得ということになります。

 利用できるエリアは登録駅の選び方によって異なってきますので、シミュレーションでご確認ください。


 両方に共通する注意点は、市内中心部では対象駅が面的に広がり多くなりますが、各路線の端の方だと対象駅が限定されることです。端の方の駅をよく利用する場合には定期券の方がお得という場合もあります。


 「プレミアム」と「マイスタイル」の具体的な利用例と両者の比較は、こちらでも詳しくご紹介しています。

 各路線の端の方の駅をよく利用する場合に、登録駅の選び方によって利用範囲が大きく変わることについても、具体的な例を挙げて説明しています。定期券の見直しを検討しておられる方は、こちらも是非ご覧ください。
http://sumai-osaka.blogspot.jp/2016/05/blog-post_5.html

「PiTaPaプレミアム」について詳しくは、こちらからご覧いただけます。
http://www.kotsu.city.osaka.lg.jp/general/eigyou/price/ic_card/premium_goannai.html


 シミュレーションのページもありますので、ニーズに合わせて登録駅とエリアを検討してみてください。
http://kensaku.kotsu.city.osaka.lg.jp/pitapa-premium/

 大阪市交通局にはこのほかに、迂回定期券という便利なサービスがあります。特に、プレミアムの4区、マイスタイルの5区といった、長い区間を利用される方の場合は、迂回定期券の方がお得な場合があります。迂回定期券の買い方、注意点はこちらで説明しています。
http://sumai-osaka.blogspot.jp/2016/06/blog-post_21.html

 迂回定期券についてさらに詳しくはこちらをご覧ください。
http://www10.plala.or.jp/bay_area/ukai.html#kihon

 ライフスタイルに合わせて地下鉄を便利でお得に利用して、大阪での暮らしにお役立てください。



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