2017年1月18日水曜日

大阪市パノラマ地図検定解説編(4-8)

大正13年発行の「大阪市パノラマ地図」から出題した、大阪市パノラマ地図検定の解説編です。
第4回の10問を順次解説していきます。


第4回第8問
下の地図は大阪市パノラマ地図のある部分を拡大したものです。
A 地図の中心の赤丸印の場所には当時何があったでしょうか?(建物名など)
B 現在はどうなっているでしょうか?
C 江戸時代の天保年間には何があったでしょうか?
D 「すゑよしばし」「くのすけばし」が架かっている川の名前は?
E 「いたやばし」「やすわたばし」が架かっている川の名前は?

※江戸時代の手がかりをつかむには、浪華名所獨案内を活用してください。
※大阪市パノラマ地図の全体は、こちらからご覧いただけます。



解答と解説
A 鰻谷住友邸
B 三井住友銀行事務センターと銅吹所跡史跡公園
C 住友銅吹所
D 東横堀川
E 長堀川

江戸時代の大坂には数多くの銅関連業者が集中していました。日本の生産量の約1/3を生産して、純度99%まで精錬可能という高い技術力を有していました。
大坂屋や平野屋など有力な業者がいましたが、中でも最大規模を誇ったのが泉屋(住友家)で、当地には住友家の店舗や住宅が隣接していました。泉屋は元和9年(1623)に大坂・内淡路町に銅吹所を開設。元禄3年(1690)に本店・居宅を同地に移転し、明治まで続きました。当時の幕府高官やオランダ人もよく視察に訪れたといいます。

明治9年(1876)に銅吹所廃止後に敷地は住友家の邸宅となりました。明治12年(1879)には洋館や庭園がつくられ、ビリヤード場はその東側に建てられました。
文明開化期に多くみられる「擬洋風様式」で、ビリヤード場玄関のアーチや円柱飾りは洋風ですが、壁は土蔵造り、屋根は瓦葺きで、洋風と和風とが混在しています。明治25年(1892)以前の建築と考えられており、独立建物のビリヤード場としては、わが国最古のものです。
以上、大阪あそ歩マップ集より。

浪華名所獨案内の鰻谷付近
天保新改攝州大阪全圖(天保8(1837)年発行)の鰻谷付近
明治41年、昭和4年、昭和32年、最近の地形図の鰻谷付近(今昔マップ3より)

住友銅吹所跡の碑
銅吹所跡史跡公園
日本発のビリヤード場
三井住友銀行事務センター


第1回大阪市パノラマ地図検定解説編はこちらからどうぞ。
http://osakakochizu.blogspot.jp/2016/09/blog-post_8.html

第2回大阪市パノラマ地図検定解説編はこちらからどうぞ。
http://osakakochizu.blogspot.jp/2016/10/blog-post_5.html

第3回大阪市パノラマ地図検定解説編はこちらからどうぞ。
http://osakakochizu.blogspot.jp/2016/11/blog-post_24.html

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