〇今昔館のあまり知られていない展示(その16)
近世のフロアのあまり知られていない展示の6回目は、こちらの写真です。
風呂屋にあります。何という名前でしょうか?
また、入り口が低くなっていますが、なぜ、このような形をしているのでしょうか。
答えは「柘榴口(ざくろぐち)」。この奥に浴槽があります。入り口が低くなっているのは、湯気が外に逃げないようにするためです。江戸時代の風呂は、今でいえばサウナのような蒸し風呂方式でした。少しの水と燃料でこと足りる蒸し風呂は効率が良く、世界各地で見られる入浴方法です。
「柘榴口」とは変わった名前ですが、名前には由来があります。デジタル大辞泉の解説によると、《鏡磨きにザクロの酢が必要とされたところから、「鏡要る」に「屈み入る」をかけて出来た名》といわれ、江戸時代の風呂屋で、洗い場から湯ぶねへの出入り口。湯の冷めるのを防ぐために、洗い場と湯ぶねとの間に、下部をあけて板を張り、からだをかがめて出入りするようにした所。とあります。
また、今昔館に再現された柘榴口は、唐派風のこけら屋根、朱塗りの派風板、欅(けやき)の柱に一枚板の羽目板の造りになっています。これには、ちゃんと根拠となる資料があります。「守貞謾稿」に紹介されている「大坂の浴戸」には、柘榴口の図があり、詳しく説明が書かれています。
次の図は、谷町糸屋町筋松尾町にあった勇湯の内部です。大坂の風呂屋を描いた数少ない資料の一つで、天保初年ごろとされています。今昔館の風呂屋は、こうした資料に基づいて再現されています。名前は「天神湯」、当主は天満屋与兵衛、家紋・店印は梅鉢、家族は5人、奉公人1人という設定になっています。
今昔館の風呂屋の内部。手前が脱衣場、奥が洗い場、柘榴口を潜って浴槽に入ります。天保初年ごろ、湯銭は、大人8文、子供6文、乳飲み子4文、肌を磨く糠袋が3文でした。
風呂屋は町の社交場でもありました。洗い場の壁には、芝居興行の広告、店の引き札などが張られていました。現代のポスターと同じです。
今昔館の風呂屋「天神湯」について、お風呂アドバイザー おかきた'まりさんが、ブログ「洗いの殿堂」で紹介していただいています。
〇今週のイベント・ワークショップ
9月26日、28日~30日、10月1日、3日、5日~8日、10日、12日~15日
町家ツアー
住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」の9階「なにわ町家の歳時記」では、楽しいガイドツアーをおこなっております。当日ご来館の方は、自由に参加していただけます。
※団体でお越しの場合は、事前にお申し込みください。
開催日:平日・土曜日(※日曜日は下記のとおり、町家衆による町家ツアーがあります。)
時 間:11:30、14:30
10月2日、9日、16日
町家衆イベント 町家ツアー
江戸時代大坂の町並みについて町の特色や見どころをわかりやすく解説します。
時 間:13:10~14:00
10月2日(日)
町家衆イベント 町の解説
江戸時代の大坂では人々はどのように暮らしていたのか。
当時の史料(複製)とともに町会所で詳しく説明します。
開催日:第1・3日曜
時 間:13:00~16:00
10月8日(土)
ワークショップ 『和風マグネットを作ろう』
①13時30分 ②14時30分
各回先着10名、参加費:300円
*当日10時より受付で参加整理券を販売します
10月9日(日)
町家衆イベント おじゃみ
古布を四角く切って縫い合わせて作るおじゃみ(お手玉)。
作り方をていねいにお教えします。
開催日:第2日曜
時 間:14:00~16:00
10月9日(日)
イベント 子ども落語大会 於:天満天神繁昌亭 9/11(日)に開催の、第11回子ども落語大会の入賞者が天満天神繁昌亭の舞台に立ちます
10時~12時 観覧無料
場所 天満天神繁昌亭
(大阪市営地下鉄 谷町線・堺筋線南森町駅、JR東西線大阪天満宮駅④B出口から徒歩3分)
10月15日(土)
町家衆イベント 折り紙(有料)
季節に合わせてさまざまな折り紙をお教えします。
作品は持ち帰っていただきます。
開催日:偶数月の第3土曜
時 間:13:30~15:00
10月16日(日)
イベント 町家でお茶会
町家の座敷で「ほっと一息」一服いかがですか
先着順50名、茶菓代300円
※当日10時30分より8階ミュージアムショップでお茶券を販売します
協力:大阪市役所茶道部
13時~15時
10月16日(日)
町家衆イベント 今昔語り
大阪に残る昔ばなしを、町家の座敷でお聞かせします。
あたたかくなつかしい風情をお楽しみください。
開催日:お茶会と同日
時 間:14:30~15:00
10月16日(日)
町家衆イベント 町の解説
江戸時代の大坂では人々はどのように暮らしていたのか。
当時の史料(複製)とともに町会所で詳しく説明します。
開催日:第1・3日曜
時 間:13:00~16:00
そのほかのイベント・ワークショップはこちらからご覧いただけます。
そのほか定期開催のイベントはこちらからご覧ください。
近世のフロアのあまり知られていない展示の6回目は、こちらの写真です。
風呂屋にあります。何という名前でしょうか?
また、入り口が低くなっていますが、なぜ、このような形をしているのでしょうか。
答えは「柘榴口(ざくろぐち)」。この奥に浴槽があります。入り口が低くなっているのは、湯気が外に逃げないようにするためです。江戸時代の風呂は、今でいえばサウナのような蒸し風呂方式でした。少しの水と燃料でこと足りる蒸し風呂は効率が良く、世界各地で見られる入浴方法です。
「柘榴口」とは変わった名前ですが、名前には由来があります。デジタル大辞泉の解説によると、《鏡磨きにザクロの酢が必要とされたところから、「鏡要る」に「屈み入る」をかけて出来た名》といわれ、江戸時代の風呂屋で、洗い場から湯ぶねへの出入り口。湯の冷めるのを防ぐために、洗い場と湯ぶねとの間に、下部をあけて板を張り、からだをかがめて出入りするようにした所。とあります。
また、今昔館に再現された柘榴口は、唐派風のこけら屋根、朱塗りの派風板、欅(けやき)の柱に一枚板の羽目板の造りになっています。これには、ちゃんと根拠となる資料があります。「守貞謾稿」に紹介されている「大坂の浴戸」には、柘榴口の図があり、詳しく説明が書かれています。
「守貞謾稿」に紹介された「大坂の浴戸」 |
次の図は、谷町糸屋町筋松尾町にあった勇湯の内部です。大坂の風呂屋を描いた数少ない資料の一つで、天保初年ごろとされています。今昔館の風呂屋は、こうした資料に基づいて再現されています。名前は「天神湯」、当主は天満屋与兵衛、家紋・店印は梅鉢、家族は5人、奉公人1人という設定になっています。
勇湯の内部(天保初年ごろ) |
今昔館の風呂屋の内部。手前が脱衣場、奥が洗い場、柘榴口を潜って浴槽に入ります。天保初年ごろ、湯銭は、大人8文、子供6文、乳飲み子4文、肌を磨く糠袋が3文でした。
今昔館の風呂屋の内部 |
風呂屋は町の社交場でもありました。洗い場の壁には、芝居興行の広告、店の引き札などが張られていました。現代のポスターと同じです。
今昔館の風呂屋「天神湯」について、お風呂アドバイザー おかきた'まりさんが、ブログ「洗いの殿堂」で紹介していただいています。
〇今週のイベント・ワークショップ
9月26日、28日~30日、10月1日、3日、5日~8日、10日、12日~15日
町家ツアー
住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」の9階「なにわ町家の歳時記」では、楽しいガイドツアーをおこなっております。当日ご来館の方は、自由に参加していただけます。
※団体でお越しの場合は、事前にお申し込みください。
開催日:平日・土曜日(※日曜日は下記のとおり、町家衆による町家ツアーがあります。)
時 間:11:30、14:30
10月2日、9日、16日
町家衆イベント 町家ツアー
江戸時代大坂の町並みについて町の特色や見どころをわかりやすく解説します。
時 間:13:10~14:00
10月2日(日)
町家衆イベント 町の解説
江戸時代の大坂では人々はどのように暮らしていたのか。
当時の史料(複製)とともに町会所で詳しく説明します。
開催日:第1・3日曜
時 間:13:00~16:00
10月8日(土)
ワークショップ 『和風マグネットを作ろう』
①13時30分 ②14時30分
各回先着10名、参加費:300円
*当日10時より受付で参加整理券を販売します
10月9日(日)
町家衆イベント おじゃみ
古布を四角く切って縫い合わせて作るおじゃみ(お手玉)。
作り方をていねいにお教えします。
開催日:第2日曜
時 間:14:00~16:00
10月9日(日)
イベント 子ども落語大会 於:天満天神繁昌亭 9/11(日)に開催の、第11回子ども落語大会の入賞者が天満天神繁昌亭の舞台に立ちます
10時~12時 観覧無料
場所 天満天神繁昌亭
(大阪市営地下鉄 谷町線・堺筋線南森町駅、JR東西線大阪天満宮駅④B出口から徒歩3分)
10月15日(土)
町家衆イベント 折り紙(有料)
季節に合わせてさまざまな折り紙をお教えします。
作品は持ち帰っていただきます。
開催日:偶数月の第3土曜
時 間:13:30~15:00
10月16日(日)
イベント 町家でお茶会
町家の座敷で「ほっと一息」一服いかがですか
先着順50名、茶菓代300円
※当日10時30分より8階ミュージアムショップでお茶券を販売します
協力:大阪市役所茶道部
13時~15時
10月16日(日)
町家衆イベント 今昔語り
大阪に残る昔ばなしを、町家の座敷でお聞かせします。
あたたかくなつかしい風情をお楽しみください。
開催日:お茶会と同日
時 間:14:30~15:00
10月16日(日)
町家衆イベント 町の解説
江戸時代の大坂では人々はどのように暮らしていたのか。
当時の史料(複製)とともに町会所で詳しく説明します。
開催日:第1・3日曜
時 間:13:00~16:00
そのほかのイベント・ワークショップはこちらからご覧いただけます。
そのほか定期開催のイベントはこちらからご覧ください。
大阪くらしの今昔館の展示内容や利用案内などについて詳しくはこちらからどうぞ。
「住まい・まちづくり・ネット」では、大阪市立住まい情報センター主催のセミナーやイベントの紹介、専門家団体やNPOの方々と共催しているタイアップイベントの紹介などを行っています。イベント参加の申し込みやご意見ご感想なども、こちらから行える双方向のサイトとなっています。
「住まい・まちづくり・ネット」はこちらからどうぞ。≫http://www.sumai-machi-net.com/
初めての方はこちらからどうぞ。≫http://www.sumai-machi-net.com/howtouse
「住まい・まちづくり・ネット」では、大阪市立住まい情報センター主催のセミナーやイベントの紹介、専門家団体やNPOの方々と共催しているタイアップイベントの紹介などを行っています。イベント参加の申し込みやご意見ご感想なども、こちらから行える双方向のサイトとなっています。
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