2017年2月8日水曜日

大阪市パノラマ地図検定解説編(5-1)

大正13年発行の「大阪市パノラマ地図」から出題した、大阪市パノラマ地図検定の解説編です。
第5回の10問を順次解説していきます。


第5回第1問
下の地図は大阪市パノラマ地図のある部分を拡大したものです。
A 地図の中心の赤丸印の場所には当時何があったでしょうか?(建物名など)
B 現在はどうなっているでしょうか?
C 江戸時代の天保年間には何があったでしょうか?
D 大きな字で「寺」とあるのは地名の一部です。何でしょうか?
E 市電が走っている道路の名前は?

※江戸時代の手がかりをつかむには、浪華名所獨案内を活用してください。
※大阪市パノラマ地図の全体は、こちらからご覧いただけます。



解答と解説
A 大阪外国語学校
B 大阪国際交流センター
C 天王寺村(中町と北平野町)
D 天王寺の「寺」
E 上町筋

 大正9年(1920)3月 海運業者林竹三郎の遺志により、妻林蝶子が新設費100万円を寄付、9月に大阪市東区(現天王寺区)上本町8丁目187番地で校舎建設が始まりました。
 大正10年(1921)12月 大阪外国語学校の設置が公布され、正式に成立しました。パノラマ地図にはこの頃の大阪外国語学校が描かれています。
 昭和24年(1949)に新制大阪外国語大学として大阪市天王寺区上本町において設立され、昭和54年(1979)に箕面市へ移転し、平成19年(2007)10月に大阪大学と統合し、大阪大学外国語学部となりました。
 上本町の跡地には昭和62年(1987)9月に大阪国際交流センターが開設されました。


浪華名所獨案内の上本町付近
天保新改攝州大阪全圖(天保8(1837)年発行)の上本町付近
明治41年、昭和7年、昭和32年、最近の地形図の上本町付近(今昔マップ3より)





第1回大阪市パノラマ地図検定解説編はこちらからどうぞ。
http://osakakochizu.blogspot.jp/2016/09/blog-post_8.html

第2回大阪市パノラマ地図検定解説編はこちらからどうぞ。
http://osakakochizu.blogspot.jp/2016/10/blog-post_5.html

第3回大阪市パノラマ地図検定解説編はこちらからどうぞ。
http://osakakochizu.blogspot.jp/2016/11/blog-post_24.html

第4回大阪市パノラマ地図検定解説編はこちらからどうぞ。
http://osakakochizu.blogspot.jp/2017/02/blog-post_9.html

2017年2月6日月曜日

今週の今昔館(45) 20170206

〇企画展「道具の今昔物語―明治・大正・昭和の道具たち―」開催中です

平成29年1月3日(火)~2月17日(金)
開館時間 午前10時から午後5時(入館は午後4時30分まで)
会期中の休館日 1月10日・16日・17日・24日、2月7日、14日
http://konjyakukan.com/kikakutenji.html


 明治から大正・昭和にかけて、日本人のくらしは大きな変化をとげました。それまでなかったガスや電気が日常生活の中に普及していくとともに、ガス製品、電化製品をはじめ数々の新しい道具が生み出され、改良され、それらによってくらしは劇的に便利になりました。

 本展では明治期から昭和40年代にかけて使われた生活道具を中心に展示し、くらしの変遷を紹介します。また小学生の学習内容にあわせ、衣・食・住・遊・学にかかわる道具の移り変わりをわかりやすく展示します。昭和期の茶の間を再現した展示や、蚊帳や黒電話など道具に触れる体験コーナーで、平成生まれの子どもたちが知らない少し昔のくらしを身近に感じてもらえます。

 子どもから大人まで一緒に楽しめる展覧会です。ぜひご家族そろってお越しください。



〇次回企画展「浪花の大ひな祭り-浪花の豪商の雛道具-」のご案内

桃の節句は宮中の行事にはじまり、江戸時代には女子のすこやかな成長を祈る「雛祭り」として武家や町方にも広がりました。
摂南大学と大阪くらしの今昔館は、毎年「浪花の大ひな祭り」として今昔館に大ひな壇を展示しています。今年、鴻池とならぶ浪花の豪商のひとつ「加島屋」(廣岡家)に伝来した節句飾り一式が新たに発見され、大阪くらしの今昔館に寄贈されました。これを記念して加島屋伝来の享保雛や立雛など雛人形や道具類の数々を展示します。豪商の雛道具にみる大坂の華やかな文化をお楽しみください。

会  期:平成29年2月25日(土)~4月2日(日)  開館時間:10時~17時(入館は16時30分まで) 会期中の休館日:毎週火曜日、3月22日(水)
会  場:大阪市立住まいのミュージアム(大阪くらしの今昔館)企画展示室
入 館 料: 企画展のみ300円
     常設展+企画展   一般800円(団体700円)
                  高・大生500円(団体400円)(要学生証提示)
     *団体は20名以上
     *年間パスポートでもご入場いただけます。
     *中学生以下、障がい者手帳持参者、大阪市内在住の65歳以上の方は
      無料です(要証明書提示)。

享保雛 加島屋伝来 当館蔵

立雛(次郎左衛門雛)
加島屋伝来 当館蔵

丸平大木人形店製の雛人形
個人蔵

御殿雛 摂南大学蔵

大雛壇部分(2015年)
摂南大学蔵



〇今週のイベント・ワークショップ

2月8日(水)~10日(金)、13日(月)、15日(水)~18日(金)
町家ツアー

住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」の9階「なにわ町家の歳時記」では、楽しいガイドツアーをおこなっております。当日ご来館の方は、自由に参加していただけます。
※団体でお越しの場合は、事前にお申し込みください。
開催日:平日・土曜日(※日曜日・祝日は下記のとおり、町家衆による町家ツアーがあります。)
時 間:11:30、14:30

2月11日(祝)、12日(日)、19日(日)
町家衆イベント 町家ツアー

江戸時代大坂の町並みについて町の特色や見どころをわかりやすく解説します。
時 間:13:10~14:00


2月11日(土)
ワークショップ 『版木はがき』

13時30分~15時
参加費:200円

イベント 町家寄席-落語
江戸時代にタイムスリップ!大坂の町家で、落語をきいてみませんか
出演:桂出丸 桂米輝
14時~15時

2月12日(日)
町家衆イベント おじゃみ

古布を四角く切って縫い合わせて作るおじゃみ(お手玉)。
作り方をていねいにお教えします。
開催日:第2日曜
時 間:14:00~16:00

2月18日(土)
町家衆イベント 折り紙(有料)

季節に合わせてさまざまな折り紙をお教えします。
作品は持ち帰っていただきます。
開催日:偶数月の第3土曜
時 間:13:30~15:00

2月19日(日)
町家衆イベント 今昔語り

大阪に残る昔ばなしを、町家の座敷でお聞かせします。
あたたかくなつかしい風情をお楽しみください。
開催日:お茶会と同日
時 間:14:30~15:00

町家衆イベント 町の解説
江戸時代の大坂では人々はどのように暮らしていたのか。
当時の史料(複製)とともに町会所で詳しく説明します。
開催日:第1・3日曜
時 間:13:00~16:00

イベント 町家でお茶会
町家の座敷でお抹茶とお菓子をお召し上がり頂けます。
先着順50名、茶菓代300円
※当日10時30分より8階ミュージアムショップでお茶券を販売します
協力:大阪市役所茶道部
13時~15時


そのほかのイベント・ワークショップはこちらからご覧いただけます。
そのほか定期開催のイベントはこちらからご覧ください。

大阪くらしの今昔館の展示内容や利用案内などについて詳しくはこちらからどうぞ。

 「住まい・まちづくり・ネット」では、大阪市立住まい情報センター主催のセミナーやイベントの紹介、専門家団体やNPOの方々と共催しているタイアップイベントの紹介などを行っています。イベント参加の申し込みやご意見ご感想なども、こちらから行える双方向のサイトとなっています。
「住まい・まちづくり・ネット」はこちらからどうぞ。≫http://www.sumai-machi-net.com/
初めての方はこちらからどうぞ。≫http://www.sumai-machi-net.com/howtouse



2017年2月1日水曜日

大阪市パノラマ地図検定解説編(4-10)

大正13年発行の「大阪市パノラマ地図」から出題した、大阪市パノラマ地図検定の解説編です。
第4回の10問を順次解説していきます。


第4回第10問
下の地図は大阪市パノラマ地図のある部分を拡大したものです。
A 地図の中心の赤丸印の場所には当時何があったでしょうか?(建物名など)
B 現在はどうなっているでしょうか?
C 江戸時代の天保年間には何があったでしょうか?
D 「しもやまとばし」が架かっている川の名前は?
E 市電「磐舟橋」停留所がある道路の名前は?

※江戸時代の手がかりをつかむには、浪華名所獨案内を活用してください。
※大阪市パノラマ地図の全体は、こちらからご覧いただけます。



解答と解説
A 大阪市高津尋常小学校
B 国立文楽劇場
C 西高津新地
D 道頓堀川
E 千日前通

高津小学校は、明治4年(1872年)南大組第二大区十二番小学校として開校し、明治20年(1887年)大阪市高津尋常小学校に改称しました。明治45年(1912年)南の大火により校舎全焼。昭和9年(1934年)室戸台風で校舎が倒壊しました。昭和20年(1945年)3月大阪大空襲で校舎が全焼し、昭和21年(1946年)大阪市大宝国民学校(大阪市立大宝小学校)に統合され休校となり、昭和27年(1952年)大阪市立高津小学校として復興・再開校。昭和45年(1970年)に現在地(中央区高津3丁目4番21号)へ移転し、その後旧校地の跡地はしばらくはフェンスに囲まれた更地となっていました。

その後、国立文楽劇場が4番目の国立劇場として昭和59年(1984年)に開館し、大小2つの劇場と展示室などからなり、大ホール(文楽劇場)ではユネスコ無形文化遺産の人形浄瑠璃・文楽の公演を中心に演劇や舞踊などが行われています。小ホールでは奇数月に落語・漫才・浪曲などの興行「上方演芸特選会」が開かれ、東京の国立劇場における国立演芸場的役割も担っています。設計は黒川紀章氏、第2回公共建築賞最優秀賞を受賞しています。独立行政法人日本芸術文化振興会によって運営されています。

パノラマ地図に描かれている「いはふねばし」が架かっている堀川は高津入堀川で、江戸時代に西高津新地の開発に伴って開削されました。
1733年(享保18年)に道頓堀の南東の西成郡西高津村領内において西高津新地の開発が始まり、翌1734年(享保19年)に上流側約800mの区間が開削されました。

1740年(元文5年)には高津入堀川の堀止付近の東成郡天王寺村領内に天王寺銭座が設置され、翌1741年(寛保元年)から短期間ながら銅銭が鋳造されていました。天王寺銭座廃止と同年の1745年(延享2年)に西高津新地1~9丁目が成立し、大坂三郷に編入されました。

1752年(宝暦2年)になると、難波入堀川と難波御蔵の先例に倣って、江戸幕府が天王寺銭座跡地に天王寺御蔵(高津新地御蔵)を設置しました。しかし、多湿で米の痛みが早かったため、天王寺御蔵は1791年(寛政3年)に廃止され、難波御蔵に新御蔵が増築されました。

入堀で汚濁が激しく不衛生だったため、明治に入って難波入堀川と連結されることになり、明治31年(1898年)鼬川まで延長開削されました。西流および北流箇所はもと鼬川の流路を利用していますが、延長開削工事以降、難波入堀川との合流地点(現・阪神高速1号環状線なんば出口)より上流を高津入堀川、下流を鼬川と改められました。その後昭和43年(1968年)に埋立てられました。

浪華名所獨案内の高津付近
天保新改攝州大阪全圖(天保8(1837)年発行)の高津付近
明治41年、昭和4年、昭和32年、最近の地形図の高津付近(今昔マップ3より)


第1回大阪市パノラマ地図検定解説編はこちらからどうぞ。
http://osakakochizu.blogspot.jp/2016/09/blog-post_8.html

第2回大阪市パノラマ地図検定解説編はこちらからどうぞ。
http://osakakochizu.blogspot.jp/2016/10/blog-post_5.html

第3回大阪市パノラマ地図検定解説編はこちらからどうぞ。
http://osakakochizu.blogspot.jp/2016/11/blog-post_24.html

2017年1月30日月曜日

今週の今昔館(44) 20170130

〇企画展「道具の今昔物語―明治・大正・昭和の道具たち―」開催中です

平成29年1月3日(火)~2月17日(金)
開館時間 午前10時から午後5時(入館は午後4時30分まで)
会期中の休館日 1月10日・16日・17日・24日、2月7日、14日
http://konjyakukan.com/kikakutenji.html


 明治から大正・昭和にかけて、日本人のくらしは大きな変化をとげました。それまでなかったガスや電気が日常生活の中に普及していくとともに、ガス製品、電化製品をはじめ数々の新しい道具が生み出され、改良され、それらによってくらしは劇的に便利になりました。

 本展では明治期から昭和40年代にかけて使われた生活道具を中心に展示し、くらしの変遷を紹介します。また小学生の学習内容にあわせ、衣・食・住・遊・学にかかわる道具の移り変わりをわかりやすく展示します。昭和期の茶の間を再現した展示や、蚊帳や黒電話など道具に触れる体験コーナーで、平成生まれの子どもたちが知らない少し昔のくらしを身近に感じてもらえます。

 子どもから大人まで一緒に楽しめる展覧会です。ぜひご家族そろってお越しください。



〇次回企画展「浪花の大ひな祭り-浪花の豪商の雛道具-」のご案内

桃の節句は宮中の行事にはじまり、江戸時代には女子のすこやかな成長を祈る「雛祭り」として武家や町方にも広がりました。
摂南大学と大阪くらしの今昔館は、毎年「浪花の大ひな祭り」として今昔館に大ひな壇を展示しています。今年、鴻池とならぶ浪花の豪商のひとつ「加島屋」(廣岡家)に伝来した節句飾り一式が新たに発見され、大阪くらしの今昔館に寄贈されました。これを記念して加島屋伝来の享保雛や立雛など雛人形や道具類の数々を展示します。豪商の雛道具にみる大坂の華やかな文化をお楽しみください。

会  期:平成29年2月25日(土)~4月2日(日)  開館時間:10時~17時(入館は16時30分まで) 会期中の休館日:毎週火曜日、3月22日(水)
会  場:大阪市立住まいのミュージアム(大阪くらしの今昔館)企画展示室
入 館 料: 企画展のみ300円
     常設展+企画展   一般800円(団体700円)
                  高・大生500円(団体400円)(要学生証提示)
     *団体は20名以上
     *年間パスポートでもご入場いただけます。
     *中学生以下、障がい者手帳持参者、大阪市内在住の65歳以上の方は
      無料です(要証明書提示)。

享保雛 加島屋伝来 当館蔵

立雛(次郎左衛門雛)
加島屋伝来 当館蔵

丸平大木人形店製の雛人形
個人蔵

御殿雛 摂南大学蔵

大雛壇部分(2015年)
摂南大学蔵




〇今週のイベント・ワークショップ

1月30日(月)~2月4日(土)、6日(月)、8日(水)~10日(金)
町家ツアー

住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」の9階「なにわ町家の歳時記」では、楽しいガイドツアーをおこなっております。当日ご来館の方は、自由に参加していただけます。
※団体でお越しの場合は、事前にお申し込みください。
開催日:平日・土曜日(※日曜日・祝日は下記のとおり、町家衆による町家ツアーがあります。)
時 間:11:30、14:30

2月5日(日)、11日(祝)、12日(日)
町家衆イベント 町家ツアー

江戸時代大坂の町並みについて町の特色や見どころをわかりやすく解説します。
時 間:13:10~14:00


2月4日(土)
企画展関連ワークショップ 缶切り競争

てこ式の缶切りを使ってフルーツ缶を開けてみよう!
    開けた缶詰の中身は、給食用アルミ食器に入れて食べます。
     15:00~ 参加費100円 先着10名まで

2月11日(土)
ワークショップ 『版木はがき』

13時30分~15時
参加費:200円

イベント 町家寄席-落語
江戸時代にタイムスリップ!大坂の町家で、落語をきいてみませんか
出演:桂出丸 桂米輝
14時~15時

2月12日(日)
町家衆イベント おじゃみ

古布を四角く切って縫い合わせて作るおじゃみ(お手玉)。
作り方をていねいにお教えします。
開催日:第2日曜
時 間:14:00~16:00


そのほかのイベント・ワークショップはこちらからご覧いただけます。
そのほか定期開催のイベントはこちらからご覧ください。

大阪くらしの今昔館の展示内容や利用案内などについて詳しくはこちらからどうぞ。

 「住まい・まちづくり・ネット」では、大阪市立住まい情報センター主催のセミナーやイベントの紹介、専門家団体やNPOの方々と共催しているタイアップイベントの紹介などを行っています。イベント参加の申し込みやご意見ご感想なども、こちらから行える双方向のサイトとなっています。
「住まい・まちづくり・ネット」はこちらからどうぞ。≫http://www.sumai-machi-net.com/
初めての方はこちらからどうぞ。≫http://www.sumai-machi-net.com/howtouse



2017年1月25日水曜日

大阪市パノラマ地図検定解説編(4-9)

大正13年発行の「大阪市パノラマ地図」から出題した、大阪市パノラマ地図検定の解説編です。
第4回の10問を順次解説していきます。


第4回第9問
下の地図は大阪市パノラマ地図のある部分を拡大したものです。
A 地図の中心の赤丸印の場所には当時何があったでしょうか?(建物名など)
B 現在はどうなっているでしょうか?
C 江戸時代の天保年間には何があったでしょうか?
D 明治時代後半には何があったでしょうか?
E 地図の右手に見えている川の名前は?

※江戸時代の手がかりをつかむには、浪華名所獨案内を活用してください。
※大阪市パノラマ地図の全体は、こちらからご覧いただけます。



解答と解説
A 堀川監獄跡(扇町公園準備中)
B 扇町公園
C 北野村
D 堀川監獄
E 天満堀川

扇町界隈は、慶長3年(1598年)に天満堀川が開削されて以降、商人や寺社が多く集まり、船場に匹敵する商業と人口の集積が見られるようになりました。それ以前は、長らく大阪の北の境にあたり、さらに北上すると荒れ地に畑が散在するような地域でした。江戸期には刑場があり、明治15年(1882年)には堀川監獄が設置され、明治36年(1903年)に大阪監獄署と改称されました。

明治28年(1895年)5月に大阪鉄道(現在のJR大阪環状線)の天王寺~玉造が開業し、10月に梅田までの延伸により天満駅が開業すると、大川沿いの天満青物市場界隈から商店が立ち並ぶようになり、鉄道北側の市街化も進みました。大正9年(1920年)には大阪監獄が堺市へ移転(現在の大阪刑務所)し、解体3年後の大正12年(1923年)12月に扇町公園として開園しました。大阪市パノラマ地図には、監獄が解体され、公園の工事が始まった頃の様子が描かれています。

かつては大阪プール(現在は八幡屋公園に移転)が存在し、水泳競技を始め、多くのスポーツイベントが開催されたことでも知られます。大阪プールのスタート台(飛び込み台)がモニュメントとして公園内に残されています。

敷地は約7ha、キッズプラザ大阪(関西テレビ放送本社)、北区役所・区民ホールに隣接し、公園内には扇町プールがあります。マウンテンスライダーなどの大型遊戯施設もあり、天王寺公園、中之島公園などと比べて児童の遊技場的な要素が強い公園です。入場無料。(以上、ウィキペディアを参考にして加筆しました)

浪華名所獨案内の扇町付近
天保新改攝州大阪全圖(天保8(1837)年発行)の川崎付近
明治41年、昭和4年、昭和32年、最近の地形図の川崎付近(今昔マップ3より)


第1回大阪市パノラマ地図検定解説編はこちらからどうぞ。
http://osakakochizu.blogspot.jp/2016/09/blog-post_8.html

第2回大阪市パノラマ地図検定解説編はこちらからどうぞ。
http://osakakochizu.blogspot.jp/2016/10/blog-post_5.html

第3回大阪市パノラマ地図検定解説編はこちらからどうぞ。
http://osakakochizu.blogspot.jp/2016/11/blog-post_24.html

2017年1月23日月曜日

今週の今昔館(43) 20170123

〇「大阪・和の暮らしを体験する会」の参加者(外国の方)を募集しています
 Offer international participants to join workshop “Look and Feel of Housing and Life in Edo-Period and Modern Osaka”


The detail of Workshop “Look and Feel Housing and Life in Edo-Period and Modern Osaka”
http://sumai-osaka.blogspot.jp/2017/01/blog-post_10.html


〇「上方の生活文化」を考えるシンポジウムの参加者を募集しています
 -Symposium on "Traditional Culture and Life in Osaka"-


和の住まいとともに、今も暮らしの場に生きている上方の生活文化を専門家による実演を通じて学び、「大阪・和の暮らしを体験する会」によって発見された和の住まいの異文化コミュニケーションにおける問題点や相互交流のあり方を考えます。

日時:2017年2月8日(水)13:30~17:00(受付13:00より)
場所:大阪市立住まい情報センター3階ホール
申込期限:2017年1月25日(水)


申し込みはこちらからどうぞ。
https://www.sumai-machi-net.com/event/portal/event/32681

■プログラム■
・開会・ご挨拶
・〔映像上映〕「大阪・和の暮らしを体験する会」
  2月4日~6日のプログラムのダイジェスト映像
・〔問題提起〕「大阪・和の暮らしから、なにを学ぶのか」
  (大阪くらしの今昔館 谷直樹館長)
・〔文化体験〕「大阪・和の住まい文化」を体験する
 「書」「上方舞」「茶の湯」
 「上方料理」(日本料理「かこみ」)
 「400年前の大阪に流れた洋楽」(日本テレマン協会)
・〔討論会〕“和の住まい文化”を考える
・閉会(17:00予定)

詳しくはこちらからどうぞ。
http://sumai-osaka.blogspot.jp/2017/01/blog-post_7.html

リーフレットはこちらです。
https://www.sumai-machi-net.com/event/images/upload_files/event/32681/event_file/58703966b397b.pdf

※「大阪・和の暮らしを体験する会」は外国の方を対象に、2月4日、5日、6日に開催されます。各回20名様限定です。参加希望または参加をお勧めしたい外国の方がおられましたら、ご連絡ください。別途、申し込み用のリーフレットがあります。

※本プロジェクトは、内閣官房オリンピック・パラリンピック推進本部事務局の委託により、平成28年度オリンピック・パラリンピック基本方針推進調査として実施しています。


〇企画展「道具の今昔物語―明治・大正・昭和の道具たち―」開催中です

平成29年1月3日(火)~2月17日(金)
開館時間 午前10時から午後5時(入館は午後4時30分まで)
会期中の休館日 1月10日・16日・17日・24日、2月7日、14日
http://konjyakukan.com/kikakutenji.html


 明治から大正・昭和にかけて、日本人のくらしは大きな変化をとげました。それまでなかったガスや電気が日常生活の中に普及していくとともに、ガス製品、電化製品をはじめ数々の新しい道具が生み出され、改良され、それらによってくらしは劇的に便利になりました。

 本展では明治期から昭和40年代にかけて使われた生活道具を中心に展示し、くらしの変遷を紹介します。また小学生の学習内容にあわせ、衣・食・住・遊・学にかかわる道具の移り変わりをわかりやすく展示します。昭和期の茶の間を再現した展示や、蚊帳や黒電話など道具に触れる体験コーナーで、平成生まれの子どもたちが知らない少し昔のくらしを身近に感じてもらえます。

 子どもから大人まで一緒に楽しめる展覧会です。ぜひご家族そろってお越しください。



〇収蔵資料紹介 浪花行事十二月 「睦月 今宮十日恵比寿」 二代貞信 作、昭和14(1939)年

 当館の所蔵資料「浪花行事十二月」には、江戸時代の浪花の年中行事風俗が旧暦の月ごとに描かれています。今月ご紹介するのは、旧暦1月(新暦12月)の行事「睦月 今宮十日恵比寿」です。


毎年一月十日、今宮社は福を祈るために詣でる人々で大変賑わいました。社頭では縁起物の品々を売り、詣でた人々は購入した品を笹の枝に結び付けて持ち帰るのをならわしとしました。
嘉永二年(一八四九)の「浪花十二月画譜」の「十日夷」の項に「大坂の南今宮村、天満堀川の同社参りに人のくんじゆうする事、大波のようするか如く、三都の繁華を是によせたるがごとく、就中戯れ男の酒の酔ひ、遊女・絃婦の駕籠にての参り下向の花やかさ、一きわ目立、浪速のにぎわひ目ざましく、価千金一日の栄華なるべし」とあるように、本図の中央には籠に乗ってお参りをする遊女たちと、注目する人々が描かれています。



〇今週のイベント・ワークショップ

1月23日(月)、25日(水)~28日(土)、30日(月)、2月1日(水)~3日(金)
町家ツアー

住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」の9階「なにわ町家の歳時記」では、楽しいガイドツアーをおこなっております。当日ご来館の方は、自由に参加していただけます。
※団体でお越しの場合は、事前にお申し込みください。
開催日:平日・土曜日(※日曜日・祝日は下記のとおり、町家衆による町家ツアーがあります。)
時 間:11:30、14:30

1月29日(日)
町家衆イベント 町家ツアー

江戸時代大坂の町並みについて町の特色や見どころをわかりやすく解説します。
時 間:13:10~14:00


1月28日(土)
町家衆イベント ワークショップ 『鬼のお面を作ろう』

①13時30分②14時30分
当日先着各回10名、1人300円
*当日12時より受付で参加整理券を販売します

イベント 座敷舞
山村流の立ち方が華やかな舞を披露します
出演:山村若祿之 ほか
14時~15時

2月4日(土)
企画展関連ワークショップ 缶切り競争

てこ式の缶切りを使ってフルーツ缶を開けてみよう!
開けた缶詰の中身は、給食用アルミ食器に入れて食べます。
15:00~ 参加費100円 先着10名まで


そのほかのイベント・ワークショップはこちらからご覧いただけます。
そのほか定期開催のイベントはこちらからご覧ください。

大阪くらしの今昔館の展示内容や利用案内などについて詳しくはこちらからどうぞ。

 「住まい・まちづくり・ネット」では、大阪市立住まい情報センター主催のセミナーやイベントの紹介、専門家団体やNPOの方々と共催しているタイアップイベントの紹介などを行っています。イベント参加の申し込みやご意見ご感想なども、こちらから行える双方向のサイトとなっています。
「住まい・まちづくり・ネット」はこちらからどうぞ。≫http://www.sumai-machi-net.com/
初めての方はこちらからどうぞ。≫http://www.sumai-machi-net.com/howtouse



2017年1月18日水曜日

大阪市パノラマ地図検定解説編(4-8)

大正13年発行の「大阪市パノラマ地図」から出題した、大阪市パノラマ地図検定の解説編です。
第4回の10問を順次解説していきます。


第4回第8問
下の地図は大阪市パノラマ地図のある部分を拡大したものです。
A 地図の中心の赤丸印の場所には当時何があったでしょうか?(建物名など)
B 現在はどうなっているでしょうか?
C 江戸時代の天保年間には何があったでしょうか?
D 「すゑよしばし」「くのすけばし」が架かっている川の名前は?
E 「いたやばし」「やすわたばし」が架かっている川の名前は?

※江戸時代の手がかりをつかむには、浪華名所獨案内を活用してください。
※大阪市パノラマ地図の全体は、こちらからご覧いただけます。



解答と解説
A 鰻谷住友邸
B 三井住友銀行事務センターと銅吹所跡史跡公園
C 住友銅吹所
D 東横堀川
E 長堀川

江戸時代の大坂には数多くの銅関連業者が集中していました。日本の生産量の約1/3を生産して、純度99%まで精錬可能という高い技術力を有していました。
大坂屋や平野屋など有力な業者がいましたが、中でも最大規模を誇ったのが泉屋(住友家)で、当地には住友家の店舗や住宅が隣接していました。泉屋は元和9年(1623)に大坂・内淡路町に銅吹所を開設。元禄3年(1690)に本店・居宅を同地に移転し、明治まで続きました。当時の幕府高官やオランダ人もよく視察に訪れたといいます。

明治9年(1876)に銅吹所廃止後に敷地は住友家の邸宅となりました。明治12年(1879)には洋館や庭園がつくられ、ビリヤード場はその東側に建てられました。
文明開化期に多くみられる「擬洋風様式」で、ビリヤード場玄関のアーチや円柱飾りは洋風ですが、壁は土蔵造り、屋根は瓦葺きで、洋風と和風とが混在しています。明治25年(1892)以前の建築と考えられており、独立建物のビリヤード場としては、わが国最古のものです。
以上、大阪あそ歩マップ集より。

浪華名所獨案内の鰻谷付近
天保新改攝州大阪全圖(天保8(1837)年発行)の鰻谷付近
明治41年、昭和4年、昭和32年、最近の地形図の鰻谷付近(今昔マップ3より)

住友銅吹所跡の碑
銅吹所跡史跡公園
日本発のビリヤード場
三井住友銀行事務センター


第1回大阪市パノラマ地図検定解説編はこちらからどうぞ。
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