2016年11月14日月曜日

今週の今昔館(33) 20161114

〇今昔館のあまり知られていない展示(その33)
 近世のフロアのあまり知られていない展示の13回目は、こちらの写真です。
 今昔館にお越しになったことのある方は見たことのある風景だと思いますが、注目していただきたいのは、棒の先にあるサインです。さて、それぞれ、何のお店を表わしているのでしょうか?何をデザインしたものでしょうか?(猫は今回は関係ありません。)

 江戸の町では商店の看板は路上に立てた柱に屋根付きの看板を取り付けた立て看板が一般的であったのに対して、大坂では道路が狭く往来の邪魔になるため立て看板を作ることはなく、店の軒下に通りと直行する方向に看板が吊られていました。通りを歩いていると自然とその店で商っている品物や店印、店名などが目に入ってきます。
 こうした吊り看板に対して、薬屋など大きな店ではさらに豪華な看板が用いられていました。屋根看板と言って、庇の上に屋根付きの墨漆仕上げに彫り文字の立派な看板が作られていました。今昔館の合薬屋「ウルユス」の看板については、今週の今昔館(25)でご紹介しました。
http://sumai-osaka.blogspot.jp/2016/09/blog-post_19.html

 このほかにも、特色のある看板がありました。「浪華買物獨案内」に掲載された阿波座戸屋町の畑屋次兵衛店には、棒の先に月星の印がついた図が描かれ、「屋根より此目印出し有之」と書かれています。今昔館の建具屋の看板はこれを再現したものです。襖の引手をデザインしたものと言われています。
 「大坂商工銘家集」や「二千年袖鑑」に紹介されている小間物屋には、軒先にドーナツ型の看板が描かれ、髪を結び束ねる紐の元結(もとゆい)をかたどったものと考えられます。小間物屋に共通した看板だったのです。今昔館の小間物屋の軒先にある、白い浮き輪のような形の看板はこれを再現したものです。

 このように看板はその店の顔として重視され、道行く人々の人目を引くよう、さまざまな工夫が凝らされていました。



〇今週のイベント・ワークショップ

11月14日、16日~19日、25日、26日
町家ツアー

住まいのミュージアム「大阪くらしの今昔館」の9階「なにわ町家の歳時記」では、楽しいガイドツアーをおこなっております。当日ご来館の方は、自由に参加していただけます。
※団体でお越しの場合は、事前にお申し込みください。
開催日:平日・土曜日(※日曜日・祝日は下記のとおり、町家衆による町家ツアーがあります。)
時 間:11:30、14:30

11月20日、23日、27日
町家衆イベント 町家ツアー

江戸時代大坂の町並みについて町の特色や見どころをわかりやすく解説します。
時 間:13:10~14:00


11月19日(土)、20日(日)
関西文化の日(11/19・20)は今昔館の入館料(常設展)が無料です!

町家衆イベント 楽市町家
13時~16時

ぜんざい
11時~
100円/杯(なくなり次第終了)

11月20日(日) 町家衆イベント 連鶴(有料)
折鶴がいくつもつながった連鶴。
一枚の紙から折るところに特色があります。
作り方を詳しくお教えします。
開催日:奇数月の第3日曜
時 間:14:00~15:30

11月26日(土) 町家衆イベント ワークショップ『千代紙ろうそくを作ろう』
①13時30分 ②14時30分
当日先着各回10名、参加費200円
*当日10時より受付で参加整理券を販売します
講師:大阪くらしの今昔館 町家衆

11月27日(日) 町家衆イベント 絵本で楽しい時間
むかし話などの絵本を表情豊かに読み聞かせます。
じっくりとお聞きください。
開催日: 第4日曜
時 間:14:30~15:00


そのほかのイベント・ワークショップはこちらからご覧いただけます。
そのほか定期開催のイベントはこちらからご覧ください。

大阪くらしの今昔館の展示内容や利用案内などについて詳しくはこちらからどうぞ。

 「住まい・まちづくり・ネット」では、大阪市立住まい情報センター主催のセミナーやイベントの紹介、専門家団体やNPOの方々と共催しているタイアップイベントの紹介などを行っています。イベント参加の申し込みやご意見ご感想なども、こちらから行える双方向のサイトとなっています。
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